お宝を盗み出すときには必ずといっていいほど予告状を送りつけている、レトロな怪盗・1412号(キッド)。
その予告状に書かれている、独特な言い回しや暗号はとても魅力的なものが多いですよね。
今回はそんなカッコイイ、アニメや映画で登場したキッドの予告状をまとめました!
暗号になっているものは、わかる範囲で解読方法(読み方)も載せています。
観ていて「いまいち意味がわからなかった」、はたまた「忘れてしまった」という方も参考にしていただければと思います(^^)
目次
76話『コナンVS怪盗キッド』
April fool
月が 二人を 分かつ時
漆黒の星の名の下に
波にいざなわれて
我は参上する
怪盗キッド
『名探偵コナン』での記念すべき初・予告状。
鈴木家の家宝・漆黒の星(ブラックスター)を狙って送られました。
“二人”とは人工衛星と太陽。
“月が分かつ”とは人工衛星と太陽の間に月がはいる蝕のこと。
“漆黒の星”は英語・Black Starの頭文字、BとSからBS放送。
つまりキッドがやってくる時間は、BS放送が中断する深夜12時半〜4時半の間になります。
(※この時代は、日食現象のせいで深夜の放送が休止されることがありました)
さらに“波”は電波を意味することから、キッドはBS放送の電波の方向からやってくる、とコナンは推理しました。
ちなみに、April fool=嘘。「今日はただの下見で、宝石を盗むつもりはない」とも記しています。
4月19日
横浜港から出航する
Qエリザベス号船上にて
本物の漆黒の星を
いただきに参上する
怪盗キッド
展示されていた漆黒の星が偽物と見破ったキッド。その後“本物の”漆黒の星を盗みに行くと予告します。
219話『集められた名探偵!工藤新一VS怪盗キッド』
月が満ちる土曜の夜、
零時の鐘と共に
天高き時計を頂きに参上する
怪盗キッド
『まじっく快斗』のエピソードを、アニメではスペシャルとして放送しました。
予告状は上記の通りですが、実はアニメでは作画ミスが発生。『コナンVS怪盗キッド』の「April fool 月が二人を分かつ時〜」の予告状になっていました・・・(^_^;)
同じ“月”の文字が入っているので間違えてしまったのでしょうか?
356話『怪盗キッドの驚異空中歩行』
貴方の提案 快く承ります。
決行が4月12日20時。
その前夜に下見する無礼をお許しください・・・。
怪盗キッド
P.S.
Blue Wonderの名の如く
歩いて頂きに参上しよう・・・
伝説のアクアマリーン・大海の奇跡(ブルー・ワンダー)を餌に、キッドに挑戦状を叩きつけた次郎吉。
その後、メールにてキッドの返事が送られてきます。
“Blue Wonderの名の如く”とは、wonderとwander(さまよう)をかけたもの。
blueは大空を意味し、解読すると「空を歩いて参上する」ということになります。
469・470話『怪盗キッドと四名画』
明日20時
十五夜の月明かりの下で
「青嵐」を頂きに
参上する
怪盗キッド
画家・及川武頼の絵画『青嵐』を盗むと、及川本人に送られた予告状。
しかしこれは、キッドを利用して殺人を犯すために及川が自作したものでした。
真実を
頂きに
参上!
怪盗キッド
その後、及川にキッド本人から送られた予告状です。
及川は上の一行をハサミでカットし、いつのまにかコナンの服に忍ばせてあったと偽りました。
537・538話『怪盗キッドVS最強金庫』
観念召され
鈴木相談役
無駄な抗いは止めて
赤子が如く神妙にし
月が闇に呑まれる中
当家に伝わる大金庫を
我が凌駕するのを待て
怪盗キッド
いままでの怪盗キッドとは一風変わった予告状。
キッドの偽物かと思いきや、実は鈴木次郎吉が作成した怪盗キッド宛ての手紙でした。
読み方は、行の一番下を左から右に読んでいくだけ。
予告通り
月が闇から顔を出す前に
狸の腹の中の大切なお宝を
頂きに参りましょう
怪盗キッド
その後、金庫前にて発見されたキッドの予告状。
585話『時を超える桜の恋』586話『闇に消えた麒麟の角』587話『キッドVS四神探偵団』
次の満月の夜7時
麒麟の角を
頂きに参上する
怪盗キッド
PS. 今回は幼稚な真似はやめ
大人同士で雌雄を
決しましょう
次郎吉が所有するビッグジュエル、麒麟の角を狙って出した予告状。
「大人同士=子どもは呼ぶなという事。つまり怪盗キッドは子どもに弱い!」
と判断した次郎吉は、コナンを含めた少年探偵団とともにキッド捕獲に挑みます。
627・628話『コナンキッドの龍馬お宝攻防戦』
現在開催されている
龍馬展にて
3つの品を返却すべく
近日参上いたします
怪盗キッド
鈴木大博物館にて開催されている『龍馬展』。
そこへ
- 坂本龍馬が暗殺される前夜、妻・お龍に宛てた手紙
- 暗殺された際に龍馬の血痕が付着したとされる盃
- 暗殺時に龍馬が懐に忍ばせていたピストル・S&W1型
の3点を返却しに参上するとの予告状が届きます。
この3つは、昭和の女二十面相とうたわれていた怪盗・ファントム・レディが盗んだ品々。
※ファントム・レディと怪盗キッドの関係性は、黒羽快斗(怪盗キッド)が主役の作品『まじっく快斗』で詳しく知ることができます。
明日20時、閉館間際に
例のピストルなどを持参し
幕末の志士 坂本龍馬の名の下に
今一度洗濯いたし申候
怪盗キッド
キッドの予告状に日時、もしくはそれを匂わす文章が書かれていなかったことに疑問を抱いていた中森警部たち。
しかしその後、新たに詳細が書かれた予告状が届きました。
コナンはこの文から、「洗濯とは雨のことであり、雨が降るのを待っていたために日時の詳細が書かれていなかった」と判断します。
746話・747話『怪盗キッドVS京極真』
いざ尋常に勝負
怪盗キッド
翠緑の皇帝・グリーン・エンペラーをキッドから守るべく、最強の防犯システムとして京極真がキッド捕獲に乗り出します。
上の予告状は、京極宛に送られたあぶり出しを使った予告状。その後、100通もの手紙が届けられます。
園子の母・朋子は「自分をあぶりだせるものならやってみろ」という挑発ととらえますが、実際はあぶり出しのためのロウソクを用意させるためのものでした。
劇場版『世紀末の魔術師』
黄昏の獅子から暁の乙女へ
秒針のない時計が12番目の文字を刻む時
光る天の楼閣から
メモリーズ・エッグをいただきに参上する
世紀末の魔術師
怪盗キッド♡
“黄昏の獅子から暁の乙女へ”とは獅子座〜乙女座にかわる日にちを表しています。
→獅子座が終わる8月22日の夕方から、おとめ座の始まりである8月23日の夜明けまで。
“秒針のない時計が12番目の文字を刻むとき”とは、“黄昏の獅子から暁の乙女へ”の12番目の文字である“へ”を、時計の長針と短針に当てはめて読みます。
→午後7時20分。
そして“光る天の楼閣”は光の天気予報と言われる通天閣を意味していることから、
「8月22日の午後7時20分〜8月23日の夜明けにかけて、通天閣からメモリーズ・エッグを頂きに参上する」
と解読できます。
劇場版『銀翼の奇術師』
Romeo
Juliet
Victor
Bravo!
26の文字が飛び交う中
”運命の宝石”を
いただきに参上する
怪盗キッド♡
バラの花束とともに送られてきた予告状。
怪盗キッドの文字の隣には、スペードの2のトランプが2つに割れたイラストが描かれていました。
この予告状に書かれた“運命の宝石”とは、信頼・希望・運命をあらわす3本の線が入った指輪、スターサファイヤのことです。
はじめにある4つの英単語、Romeo・Juliet・Victor・Bravoは、フォネティックコード(Phonetic code)のこと。
フォネティックコードとは、無線等での通話で聞き間違いを防ぐために使われる26の単語のことです。
-
-
- Alfa(アルファ)
- Bravo(ブラボー)
- Charlie(チャーリー)
- Delta(デルタ)
- Echo(エコー)
- Foxtrot(フォックストロット)
- Golf(ゴルフ)
- Hotel(ホテル)
- India(インディア)
- Juliett(ジュリエット)
- Kilo(キロ)
- Lima(リマ)
- Mike(マイク)
- November(ノベンバー)
- Oscar(オスカー)
- Papa(パパ)
- Quebec(ケベック)
- Romeo(ロミオ)
- Sierra(シエラ)
- Tango(タンゴ)
- Uniform(ユニフォーム)
- Victor(ヴィクター)
- Whiskey(ウィスキー)
- X-ray(エクスレイ)
- Yankee(ヤンキー)
- Zulu(ズールー)
-
“26の文字が飛び交う中”はこの26のフォネティックコードが使われている、航空機内での犯行を予告していることになります。
そしてスペードの2のカードが割れていた理由は、2で割り切れない奇数を表していたから。
飛行機の便名は、
- 東・北に向かう便は奇数
- 西・南に向かう便は偶数
と決められています。
コナンたちが乗る飛行機は、東京〜函館の865便(奇数)。
つまり解読すると「東京から函館に向かう865便にて、運命の宝石・スターサファイヤをいただく」という予告状でした。
劇場版『天空の難破船』
飛行船へのご招待、喜んでお受けします
但し、72歳のご高齢の貴方に6時間も緊張状態を強いるのは忍びなく
夕方、飛行船が大阪市上空に入ってからいただきに参ります
それまでは存分に遊覧飛行をお楽しみ下さい
怪盗キッド
今回狙うのは、ラピスラズリの天空の貴婦人(レディー・スカイ)。
「世界最大の飛行船『ベルツリーⅠ世号』のスカイデッキに展示するから盗んでみろ!」、と次郎吉が出した挑戦状の返事として送られました。
しっかり次郎吉の身体を気遣っているところがキッドらしいですね。
劇場版『業火の向日葵』
今夜、
「ラ・ベルスーズの左(最初の模写)」を
頂きにに参ります。
怪盗キッッド
“ラ・ベルスーズ”というのはゴッホが描いた『子守女』のこと。
この『子守女』は、ひまわりの絵と合わせて三幅対(三つで一つの作品)になってます。
ゴッホは弟・テオに簡単なイラスト付きで三幅対を伝えていました。
そのイラスト通りに絵を配置すると、中央に『子守女』、右に3・7作目の『ひまわり』、左に4・5・6作目の『ひまわり』となります。
そして、4・5・6作の中では4作目がオリジナル、5・6作目が模写。
この二つの模写の中で“(最初の模写)”は、先に描かれた5作目の『ひまわり』になります。
つまりこの予告状は、「今夜、『5作目のひまわり』を頂きにに参ります。」という意味です。(・・・かなり難しいですよね^^;)
14=(11人+1人)+2人
15=(11人+1人)+2人+1人
ひまわり展開催初日にコナンが拾ったキッドカード。
ゴッホの絵の中には、15本のひまわりを描いた(ゴッホの弟・テオへの手紙には14本と記載されている)ものがあります。
小五郎を含めた『ひまわり』を守るために集まった7人の侍は、カードに書かれている“14”と“15”は、そのひまわりの本数を表しているものと推理。
さらに、“(11人+1人)”はキリストの12使徒、“+2人”はテオとゴーギャン(ゴッホとともに共同生活を送った画家)のことあり、合わせると14人。
“+1人”をゴッホ自身とすれば、15人になると解釈しました。
その後コナンは、“(11人+1人)”とはキリストの12使徒になぞらえて『ひまわり』の絵を守るために館内に残った12人(七人の侍+コナン+蘭+園子+後藤+中森)のことを意味していると判断します。
直接“12人”と書かなかった理由は、裏切り者のユダと同じく、その中に裏切り者が1人混ざっていること暗示していました。
まとめ
怪盗キッドの予告状も、現場や送り主相手に合わせてさまざまなものがありましたね。
暗号は劇場版のほうが難しい気がします。
意味(読み方)も書かせていただきましたが、わかりづらかったらすみません・・・(^^;)
『世紀末の魔術師』はキッドの予告状のなかでも特に人気ですが、やっぱり表現や言い回しが美しいのが理由でしょうか。
これぞキザな怪盗の予告状という感じがします。
これからも、暗号が含まれたちょっとキザな予告状が登場すると嬉しいです。
↓ 怪盗キッドの名台詞もまとめてみました! ↓